ニュースでは「AIが人の仕事を奪う」と言われます。この会社の方針は逆です。応対は人がやる。それ以外をAIに渡す。理由を説明します。
電話をかけてくる人は、たいてい困っています。夜中に機械が止まった、荷物が届かない、担当者がつかまらない。そのとき相手が求めているのは、情報だけではありません。聞いてくれた、分かってくれた、次に何をすればいいかを一緒に決めてくれた。声のトーン、間、判断、そして「私が承りました」という責任。これは第3話で見た通り、AIの苦手なものばかりです。
AIが電話に出ること自体は、技術としては可能で、当社も研究しています(第98話)。でも今、お客様が当社を選んでいる理由は人です。多くのお客様が、46年間、人の応対を買い続けてきました。
ではなぜAIを使うのか。応対以外の仕事が、応対の時間を削っているからです。メモを整える、報告を書く、件数を数える、お客様の業種を下調べする。どれも必要ですが、どれも「形を整える」仕事で、AIの得意分野です。ここを渡せば、その時間が応対に戻ります。
だからこの研修は、オペレーターの価値を下げるためのものではありません。応対に集中できるようにするためのものです。AIを使えるようになった人は、応対以外の時間が減り、応対の一件一件に余裕が出る。目標は一つ、「応対以外の時間を減らす」。減った時間で、応対を良くする。