AIを使った失敗は、突き詰めると3種類しかありません。3つとも、この第1部で見てきたことを忘れたときに起きます。
一つ目、丸投げ。お詫びのメールをAIに書かせて、読まずに送った。文面は丁寧だったが、お客様の社名が一字違っていて、二重のお詫びになった。忘れたのは、第1話の「責任を取らない新人」。新人の書いた文を、上司が読まずに出すことはありません。
二つ目、鵜呑み。月次の件数をAIに集計させて、そのまま報告した。合計が合っていなかった。忘れたのは、第2話の「続きを当てる機械」。数字は続きやすさで出てくるので、第7話の一点検算をしていれば、すぐ分かったはずです。
三つ目、情報漏れ。急いでいて、伝言メモをそのまま個人のAIに貼り付けた。お客様の名前と電話番号が、社外のサーバーに残った。忘れたのは、第5話の「AIに渡す=社外に見せる」と、第6話の伏せ字。10秒の手間を惜しんだ結果です。
3つとも、AIが悪いのではありません。そして3つとも、初心者ではなく、少し慣れてきた人に起きます。最初は怖くて確かめるのに、10回うまくいくと11回目は確かめなくなる。だからこの第1部は、慣れたころにもう一度読んでください。
自分がどれをやりそうか、先に決めておくと防げます。急ぐ人は丸投げ、数字に強い人ほど鵜呑み、親切な人は情報漏れ。自分の癖を一つ、知っておく。