第5話の「伏せれば入れてよい」の、伏せ方です。手順は機械的で、慣れれば10秒です。
社名は「A社」「B社」に。人名は「Aさん」「Bさん」に。電話番号とメールアドレスは消して「(番号略)」と書く。住所は市区までにする。金額は、案件の特定につながるなら「約○万円」に丸める。案件名や商品名も、それだけで相手が分かるなら記号にします。
やってみると分かりますが、伏せても仕事はできます。伝言メモを整えるのに、相手の本名は要りません。用件と、丁寧さの度合いと、緊急かどうかが残っていれば十分です。整えた文が戻ってきたら、記号を元に戻す。この「戻す」ときに一字違えば事故なので、ここは必ず目で確認します。
伏せてもだめな場合があります。内容から相手が特定できるとき。有名企業の特殊な案件、報道されている出来事に関わる話、社内でも数人しか知らない情報。こういうものは記号にしても意味がないので、入れません。
理由は2つあります。法律(個人情報保護法)と、お客様との契約(秘密保持)です。当社は数多くのお客様の電話を預かっています。一件の漏れが、一社との契約ではなく、会社の信用そのものに関わる。事故は「ちょっとだけなら」から始まります。ちょっとだけを、なしにする。